農家が使う種について F1固定種について

農家が普段使っている種は、ホームセンターや種苗屋で売られている普通の種です。
2015-06-21 15.42.34

我々はこの種を植え、育て、出荷します。
これが普通の流れです。
しかし、この種はF1と呼ばれている種になります。

「F1ってなんだよ?車のか?」
のように思った人は至極まっとうな考えの持ち主です。
このF1って言葉は普段の生活ではあまり耳にしない言葉です。
しかし、このF1は我々の生活には切っても切れない関係なのです。

というのも、スーパーで売られている野菜のほぼ100%はこのF1種です。
それは当然ですよね。農家の人の大多数がF1種の種を使っているだから。

このF1種に長い長い物語が今回のテーマ

そもそもF1種ってなにさ

まずはここから。
F1種と言うのは「雑種一代」という意味です。
いやいやいや、わからんって人も安心して。これから説明する

このF1種って言うのは、種の交配によって作られた1代目の種にあたるものなのです。
つまり、品種改良を施された種になります。
※遺伝子組み換えとは別ですよ
このF1種は異なる親を交配して生み出された種です。
それゆえ、両親に比べ、病気に強く収穫量も高く、生育が盛んという特徴があります。
こういった特徴は「雑種強勢」と呼ばれ、両親の良い部分のみを引き継いでいます。

しかし、この特徴は一代のみ。
F1種から種を取り、生育すると生育はばらつき、今度は両親の悪い部分が出てきます。

このような特徴があるF1種は大手種苗メーカーにはとても優位に働きます。
だって、次回以降も農家は種を購入してくれるからね。

世の中は何か大きな力が働いているんですね。

F1種を使えば当然、収穫量や出荷量は安定します。
むしろ、そういった目的で品種改良を続けた野菜だしね。
F1種のおかげで我々は美味しいお野菜を継続的に購入出来ています。

しかし、本当にそれでいいのかな?

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F1種の問題点

F1種は我々のキッチンを便利に、豊かにしています。
それは変えようのない事実。
しかし、F1種の繁栄により、その地域で育ってきた固定種を追いやる結果になりました。
固定種は古来より、その土地で育てられてきた作物です。

固定種の問題だけではありません。
F1の種を作る際には農薬を大量に使用するということも問題なのです。
「無農薬です。オーガニックです」
と言ってても、F1種を使っていれば、種は農薬まみれです。
というのも、種を作る場合の農薬使用の規定が全くないのです。

このような問題を知った時、私は何が無農薬で栽培してるだ

と自分のやっていることがバカらしく思いました。

家族の健康の為にと無農薬で野菜を作る。
そして、自ら食べる物は自らの手で作る。

けど、種に気を使ってない無農薬農家失格だ!と。

これからのFARMきんた

これからはなるべく、在来種の種を使っての栽培をします。

今年はF1種で栽培をしているので、来年からは固定種を植えたいと思っています。

これだけ、F1種が世の中に出回っているので、固定種を手に入れるのは難しいです。
しかし、固定種を専門で扱っている種苗屋も存在するのも確かです。

是非、農に関わる多くの人に固定種の栽培をしてもらえればと思います。

以下 固定種を販売している種苗屋様

野口種苗様HP

高木種苗様HP