慣行農法、有機栽培、無農薬栽培、自然農法。
農業の農法は様々に増えてきていて、自然農法も数ある農業手法の中の1つですが、ほかの栽培方法と明らかに異なっています。
異なっている点は、現代農業が大切にしている「窒素、リン酸、カリ」といった酸要素を人為的に土壌に与えず、自然界の力のみで作物を育てるということです。
何も手入れをしないのか?!
と言われるとそうではなく、人間が畑に手を貸すのを極力抑え、自然の力に頼るということなのです。
じゃ、一体自然農法は他の栽培方法とどう違うのでしょうか?詳しくみていきましょう。
耕さない
自然農で一番大切なのは「耕さない」ということです。
「いきなり何を言っているんだ?」とほとんどの人は思いますよね。農業の基本は土地を耕し、肥料を入れ、野菜が育つ環境を整える。そのためには三大栄養素である「窒素、リン酸、カリ」が必要なんじゃ!
これが現代農業の基本じゃ!って思うのが普通ですよね。ですが、自然農は違うんです。
自然界の大地では、たくさんの動植物や微生物たちが暮らし、次世代へのバトンを渡すことを繰り返しています。
そこには必ず、枯葉や朽木、小動物の排泄物、生命を終えた動植物の骸が糧となり、土がむき出しになっていることはない。
(中略)一方、耕すことによってそこに生きている多くの生物は殺され、生きる舞台である亡骸の層も破壊され、失われてしまう。
参照元:初めての自然農で野菜作り
自然農では野菜を育てる土地は必ず栄養があり、作物たちが元気に育つと考えています。
自然界の作物は人間の手を加えてなくても元気に育っていますよね。これは奇跡のリンゴで話題になった木村さんもご自身の本の中でおっしゃっていることです。
□奇跡のりんごについては・・・
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自然農は絶妙なバランスで成り立つ自然を楽しもうとする農業方法なのです。
土を裸にしないこと
自然農で耕さないとセットになる考え方があります。それは「土を裸にしないこと」です。
今まで肥料を使っていた畑で自然農を始めると最初の1-2年は土が硬くなりなかなか野菜が育たないことが多いです。
それは、土地を耕すことによって、太陽にさらされ半砂漠化し土壌流出を起こすことが原因です。
耕さない畑は「豊穣の世界」と自然農で暮らしている川口さんの本には書かれています。
持ち込まない
耕さず自然に任せておけば土が豊かになります。
自然界は絶妙なバランスで人間が何かを持ち込むと、バランスが崩れる。化成肥料や有機肥料、農薬を持ち込まないのはもちろん。酵素や微生物資材も使わないのが良い。
自然農では人間が何かを畑に持ち込むのは極力控えることが大切だと考えています。
もし持ち込むなら、絶対土に埋めてはいけないこと。野菜くずなら極力刻む。
自然農をしている人たちは米ぬかや小麦のふすまを混ぜたものを使うくらいです。
草や虫を敵としない
良く虫や草は農業の点滴だと思われることが多いですが、自然農ではそれらを敵にしません。
というのも、様々な生物の営みがなくてはならないのが自然界で、草も虫も敵ではなく、欠かすことのできない命の一員なのです。
草も虫もそこにない養分を作り、亡骸は次の世代にバトンを渡してくれます。
農薬で一掃しようとすれば生態系を崩してしまいます。しかし、幼い苗などの場合は捕殺することもありますが、極力しないようにする。
じゃ、自然農では草がぼうぼうなのか?
こういう質問を受けることがたまにあり、それについて答えると。
「自然農は野放しの畑ではない」ということです。作物よりも背丈の高い草は基本的に刈って、その場に敷くなど作物の状況に応じて手助けをするのが基本です。
きちんと手入れをすれば野放しの畑にみられることはありません。
まとめ
自然農法では紹介した3つが大原則として成り立っています。
今回この記事を書くにあたり、自然農法の本を多く読みました。
赤目自然農塾を運営している川口さんの本や奇跡のリンゴの著者である木村さんの本など。そして実際に自然農を自分庭先で実践も始めました。
初めはカチカチだった畑もいまでは、川口さんの本で書いてあったように土の感じが変わってきました。
自然の恵みを余すことなく楽しめる自然農を是非皆さんもやってみてはどうでしょうか。
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