海外に出たいと思う若者はどのくらいいるだろう。私は高校生の時に「海外で働きたい!」と思い、海外に飛び出た。
日本の大学在学中にバックパッカー(鞄ひとつで海外を渡り歩く人たちの総称)として東南アジアを起点に色々な国を周った。
なぜ海外に出たかったのか?
という問いには当時の僕は「ムムム・・・きっと自分を成長させてくれる体験がそこにあるはずだ!」という漠然な期待感を抱くしかなかった。けど、人に聞かれたときは、それは恰好良く答えてたに違いない。
長期休みになれば海外に鞄一つで旅に出て、また日本に戻ってくる。当時の僕は海外に出て、とにかく多文化を触れることが楽しすぎた。
日本ではありえないことが日常の中で出会える。インドでは道端で死体をみた。ありありと目の前で起こる暴動にも遭遇した。インドネシアでは美味しそうなホテルの食事に小石が入っていて「カリッ!痛ってー」なんていう日本だとセレブな奥様が「ちょっと支配人を呼んできて頂戴!」なんてことにも出会った。
小さい経験から大きい経験まで海外に行かなければ出会わなかったことだらけだ。
そして、その経験には「外国での友人との出会い」も挙げられる。
多文化で育った友人との出会いはプライスレス
色々な国で出会った友人とは未だにスカイプやらラインやらで連絡を取ることがある。きっと海外に行かなかったら出会わなかった人達だ。
僕は彼らの生い立ちも、経歴も、ガールフレンドがいるのかさえ、最初は詳しくは知らなかった。それどころか、「こいつは危ないやつなんではないか・・・」なんて思うことだってしばしば。
各々の文化の中で育った人が国境を越え、様々な文化と出会う。肌の色や食事やライフスタイルまで多様な彼らとは、話すことや一緒に行動をすることでお互いを理解できた。
どうすれば考えや価値観が違う人と仲良くなれるかのということを海外を通して学んだ。
日本国内でも考えや価値観が違う人はごまんといる。海外の場合はその価値観がぶっ飛びすぎていて何か違う世界にきてしまったのでは?と思う程だった。
」
毎日決まった日時にお祈りをする友人がいたり、左手は不浄の手と言われ握手やご飯はすべて右手で食べる友人、大学を出たら取りあえず放浪をするのが当たり前という友人。
ここが日本だったら絶対友達が少ない人達に出会った。そして「そうだここは他人と違っていいのだ」と思わせてくれる場所やコミュニティなのが海外なのだ。
こういった発見も海外に出て様々な国と人と出会った友達になれたからこその体験だろう。
でも、たまに思うんだ。こんなに気楽だったら。こんなにおおざっぱで色々な物を受け入れることが出来たら。日本で生きづらい人たちも少しは気楽になれるんじゃないかなって。
地域によって人の性質が異なり、地域によって閉鎖的だったりもする
オーストラリアの有名なビーチの中にBondi beach(ボンダイビーチ)という超綺麗なビーチがある。
そのビーチを目指して僕はオーストラリアのバス事情に詳しくなく、違うルートのバスに乗ってしまった。
「いかん!間違えた!」と気づいた時には時すでに遅し。バスは僕を乗せ閑静な住宅街に向かった。さすがにまずいと思い、その住宅街で降り、帰りのバスを待つ間少し町をぶらぶらすることにしたのが間違いだった。
その地区に住む人たちが僕のことをチラチラ見てきて、中には指を指す人もいただのだ。「ここの地区ではアジア人は珍しいのか?」と思いながら帰りのバスが来て元の場所まで戻った。
後で聞いた話によると、その地区は白人のみしか住めない地区なんだとか。つまり、白人至上主義の人が多くいる地区だった。
オーストラリアは移民政策をとり、多様で多文化な国なのだが、そういった偏見を持った人たちがまだ多く残っているのだとか。
国や地域によってそういう考え方は集まり、時には人を傷つけるのである。
日本でもいじめや差別はあるが、人種で受ける差別程悲しいものはなかった。結果僕の中には「分かりあえる人と分かり合えない人が世の中には存在する。」という結論に至ったのだが、多くの外国人とは仲良くなれたという事実が残っている。
ライフスタイルでの日本との違い
オーストラリアで感じたことは、娯楽が少ないである。
シドニーの町中でもゲームセンターなんて珍しいし、夜遅くまでライトがついているのはPUBくらいなものだ。そのPUBだって12時を過ぎれば寂しいものである。
色々な国の大きな町に行ったが、日本ほど娯楽に溢れている国はないと思う。それが例えばアメリカ、ラスベガスとかと比べれば規模が別なのだが、一般の市民も楽しめる娯楽というものが海外では少ないように感じた。
彼らの休日は友人とスポーツをしたり、家族と過ごしたり、質素な生活をしていると感じた。
物も多く持たなく、物を大切にするとも感じた。ガレージセール(個人の倉庫で開き不用品を売る)なども盛んに行われている。
すぐ物を捨てるのではなく、使いたい人に使ってもらいたいという人たちが多かった。
海外に飛び出すと面白い発見が多い
海外に出ると、日本で作った自分のものさしでは計り知れないことに多く出会う。
そういったものさしを持て!とは言わないが、少なくても自分の中で経験したことがちんけなことに感じたことは事実である。
今日本の生活に満足しているのなら日本で生活を続ければいいと思うし、日本の生活に息がつまるなら海外に出てみてもいいかもしれない。
きっと息苦しさの原因がわかるはず。
僕は海外から帰ってきて、今はサラリーマンとして働いている。たまーの「あぁ海外のオーストラリアの生活が本当に楽しかったなぁ」と思うことがあるのが事実だ。
今の生活に満足していない訳ではない。念願だった畑も手に入れて農業に携わっている。これほどハッピーなことはない。
でも、次目指すところは世界中の美味しい食べ物を作っている現場はどんなところなのか?世界中の美味しい野菜を食べてみたい!なんて欲が湧いてくる。
きっとそれは、海外に出てチャレンジするということを知ってしまったから。
海外移住で楽しかったことは、多くの人に出会えたこと。日常では絶対経験できない楽しいことや辛いことを経験できたこと。自分という人間を試したくなったこと。
そして、世界は広いというワクワク、ドキドキを感じられたこと。
是非、海外に行って人生を楽しんでみては如何だろうか。
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